廃校を利用して地域のプラットフォーム作り

「土作り」から「野菜作り」へ

2年前、廃校になった南あわじ市立灘小学校の跡地利用コンペに参加しました。私たち株式会社エコリカル(アグリミュージアムNADA)の案が通り、2016年10月からこの廃校をお預かりしています。
私たちの会社のテーマは「環境再生」です。淡路島では瓦産業が有名ですが、瓦の製造工程で廃品が出てきます。それをリサイクルし、水の浄化資材や緑化資材に再加工することから事業を立ち上げました。
その後、園芸用の土を作る事業に乗り出し、有機培養土(オーガニック淡路島ソイル)や高度発酵有機堆肥(オーガニック淡路島コンポスト)を作るようになりました。安心・安全の公的認証である有機JAS資材登録も果たすなど、こだわりぬいて作った土ですが、実際のお客様の顔は見えにくい。お客様の反応をダイレクトに感じられるB to B to Cのビジネスを展開したいと考えた時に、土作りが野菜作りへとつながっていきました。

生食用と調理用のトマト栽培

廃校の校庭にハウスを建て、2017年1月から生食用と調理用のミニトマトの栽培を始めました。日本で流通しているのは生食用がほとんどで、調理用として加熱するトマトの消費量は少ないのが現状です。
5月に、この農園で初めて収穫した調理用トマトを島内のピザ店や飲食店などに卸しました。評判は上々で、もっと出荷してほしいというリクエストを各所からいただきましたが、収穫量はまだまだ少ないので、残念ながら販売をストップしている状況です。現在の目標は農地を1haまで広げ、10aあたり10~15tの収穫をあげること。ドライトマトなどの加工品にもチャレンジしたいので、早く生産量を増やしたいですね。

 

 

さまざまな園芸用土の製造技術を農業分野へ転用し、地域ストーリーと安心・安全にこだわった野菜栽培用土を作りました。淡路島で作られた、有機JAS登録資材です。

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ポリエステル媒地でコストダウン

さらに、リサイクル繊維から「ポリエステル媒地」も開発しました。屋上緑化の基盤材として使用されている培地を発展させ、農業用として製造しています。資材としてのコストは土より上がりますが、極めて軽量で、形状が崩れないので取り替え不要。また、連作障害が起きないので、長い目で見れば土よりもコストダウンを図れます。
私たちの廃校ハウスでは、実際に「オーガニック淡路島ソイル」「オーガニック淡路島コンポスト」「ポリエステル媒地」を使用してミニトマトを栽培しています。収穫量も味も、ほとんど差はありません。

島内のプラットフォームとして

淡路島には、たまねぎや瓦産業以外にも良いコンテンツがたくさんあるので、農業をPR材料とした体験型の観光プランを模索しています。また、小学校という施設の利点を最大限に生かして、宿舎として貸し出したり、若手のクリエイターや職人さんの展示会を行ったりして、島内のコンテンツを集約できるプラットフォームにしていきたいと考えています。情報を発信すれば、地方創生につながります。人々の拠り所を作り出すこと、これが私たちの当面の目標です。

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