主要全作目でグローバルGAP認証を取得

同級生3人で農業法人を設立

 大崎農園は、私と中山清隆、佐藤和彦の3人で設立した農業法人です。私たちは東海大学海洋学部の同級生で、学生時代から「将来一緒に仕事をしよう」と話し合っていました。卒業後はそれぞれ専門分野の企業に就職したのですが、私は家業のちりめん漁を継ぐために脱サラしました。その後、経営の多角化を図ろうと考え、知人の薦めもあって1997年に大崎町で就農しました。そこに2人が加わり、3人で農業経営に乗り出すことになったのです。社名の「大崎」は、会社の所在地である大崎町からとりました。法人設立は2002年。現在は中山が専務を、佐藤が取締役農場長を務めています。

 3人で農業経営を、といっても、3人とも農業の知識も経験もなかったため、地元の農業法人のアドバイスを受けながらのスタートでした。やがて、通年で安定的な収入が見込め、栽培期間が短い「葉ネギ」に注目して生産を開始。現在は12haの畑で年間180tの葉ネギを生産するほか、ダイコン(82ha)やキャベツ(6ha)なども栽培しています。

国際基準の社内体制で海外市場に挑戦

 私たちはネギ、ダイコン、キャベツの全作目において、3年前にグローバルGAP認証を取得しました。取引先の強い要望を受けて10年前から取り組み、2007年に鹿児島県認証のK-GAP、2009年にイオンGAP、2014年にグローバルGAPの認証を取得しました。最もハードルが高かったのは、やはりグローバルGAPです。200もあるチェック項目の1つ1つに対して、書類や掲示物を作成したり、作業場やトイレなどの環境を整備したり、チェック不適合の場合は改善したりと、全て自分たちで考え、進めなければなりませんでした。
 しかし、認証取得のメリットは予想以上です。まず、社内のルール作りや教育を行うことで、社員1人1人の安全・衛生に対する意識が高まり、社内の雰囲気が変わりました。それまで曖昧だった作業手順や管理方法を明確化し、第三者である専門家の審査を通じて社内慣習を改善できたことで、潜在的なリスクが大幅に低下しました。また、記録や証拠を残すことで情報開示能力も高まり、今では農業による環境負荷の低減にも取り組むようになっています。グローバルGAPの認証取得は、販売のためというより、会社の安全基盤の整備において大きな意味を持つのです。

 その成果なのか、農業大学卒業生をはじめ若手社員の入社が相次ぎ、社内は良い雰囲気です。この春から海外市場への挑戦を始めたところですので、国際基準の社内体制と若い力で、経営を新たなステージに進めていきます。

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