白花豆の消費拡大で地域を活性化

日本一の生産量、白花豆で地域活性化

純白で大粒の姿から「豆の女王」と呼ばれ、高級和菓子の白あんの原料として珍重されている「白花豆」。一般的には白インゲン豆と呼ばれ、肉厚で食感がしっかりしていて、豆の自然な甘みを楽しめることから、さまざまな料理に使われています。また、食物繊維やビタミンB1が豊富で、最近では炭水化物の消化・吸収を抑えるといわれているファイトケミカル「ファセオラミン」を多く含むことから、ダイエットや糖尿病の予防に効果が期待される食材としても注目を集めています。

その「白花豆」の生産量日本一を誇る産地が、温泉郷として知られる北海道北見市留辺蘂(るべしべ)町の温根湯(おんねゆ)地区です。昭和30年代から栽培が本格化し、現在では国内生産量の約7割を同地区が出荷していますが、栽培に手間がかかるため生産者が徐々に減少し、作付面積は最盛期の3分の1ほどまで減っています。

白花豆の生産量が年々落ち込む中、私たちは2015年1月に特産品である白花豆の消費拡大と地域活性化を目的に活動する有志団体「るべしべ白花豆くらぶ」立ち上げました。生産農家の女性達を中心にレストラン、菓子店、旅館、そして留辺蘂商工会議所など多業種が連携し、商品開発や料理教室、種豆の配布による家庭栽培促進、各種イベントなど、さまざまな活動をしています。

白花豆を多くの方に知ってもらいたい

きっかけは、おんねゆ温泉観光協会が公式マスコットキャラクターに白花豆を図案化した『白花マメ太郎』を採用したこと。栽培農家の女性6人が活動を企画し、各方面に呼びかけて設立に至りました。

設立の10日後には、おんねゆ温泉観光協会のイベントに出店し、メンバーが既に考案していた「白花豆ムース」や、白花豆を使った「白いお汁粉」などの販売を通じて、白花豆のPR活動を行いました。

私たちの活動は大きく三つ。まず、料理分野では、白花豆を使った料理やスイーツの開発・普及・販売と、レシピコンテストや料理講習会を実施しています。次に植栽分野では、種や苗を無料配布して白花豆の家庭栽培の普及を図る活動や、グリーンカーテン(園芸による日よけ)やアーチを設置して植栽としての魅力をPRしています。そして観光分野では、白花豆の観察会や畑めぐりの散策ツアー、栽培体験、写真コンテストなどを開催しています。ほかにも、白花豆のハチミツ採蜜体験会や、温根湯中学校での総合学習などにも手を広げ、「白花カステラ」などの新スイーツも、会員の菓子店から次々に商品化されています。

2016年10月には、道の駅おんねゆ温泉でマルシェを開催しました。当日は開店前から多くお客様がを作ってくださり、少しづつではありますが認知が広まってきていることを実感できました。

商品開発で地域に貢献

私たちの活動も3年目に入りました。今後も定例イベントとして、おんねゆ湯泉観光協会の冬季イベントへの出店(2月・毎土曜日4回)、種豆の無料配布と植栽活動(5月)、観察会用の畑の耕作・収穫(6月〜10月)、白花豆を家庭料理に取り入れてもらうための活動を進めます。前述のマルシェでは「白花豆の水煮缶」試作品を配布しました。今後、モニターの意見を反映し、各種補助金を活用しながら商品化を目指します。商品化の暁にはレシピカードを付け、白花豆を手軽に家庭料理に取り入れていただけるようにしたいと思っています。

会員の飲食店や菓子店とのコラボレーションを進め、新たな商品開発も進めていきます。

業界の垣根を越えて、さまざまな会員が連携する活動が、私たちのの強み。地元の特産品を軸に地域活性化に取り組む活動によって、留辺蘂町に貢献できれば嬉しいです。

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