20種以上のハーブを栽培から出荷まで

ハーブ栽培がもたらしたエスビー食品との出会い

茨城県の南西部に位置する常総市。市のほぼ中央を流れる鬼怒川の西岸、水田地帯が広がる場所にで峯ファームの工場「エスビーハーブセンターつくば」があります。水耕栽培ハウスはを中心とする施設で、バジルやミントなどハーブが醸す清々しい香りが体を覆います。当社ではバジル等のハーブ類の栽培から収穫、選別、包装、出荷までを、徹底した衛生管理のもと一貫して行っております。

私が農作物の生産を始めたのは1985年のこと。実家は露地野 菜の栽培や養蚕、養豚を営む農家でしたが、私は会社勤めをしていました。30 歳の時、足のケガで入院した際、見舞いに来た水耕栽培農家の知人に強く勧められ、会社を辞め農業の世界に入りました。千葉県大多喜町で農業研修を受けたのち常総市に戻り、300坪の圃場で葉ねぎの水耕栽培を始めました。

その後、ハーブ類のテスト栽培を開始した事がきっかけでエスビー食品様と出会い、徐々にフレッシュハーブの栽培を任せていただけるようになりました。東日本大震災の影響もあり、経営は多難でしたが、現在の経営規模は水耕 ハウス4棟、土耕ハウス5棟で栽培面積約3300坪。30 年で約 11 倍の規模となりました。

ノウハウをこれからの生産者へ継承

 

現在20品目以上のハーブ類やベビーリーフ等を通年生産し、その全量をエスビー食品に納めています。ハーブ類は小売店が販売しやすいよう、5グラム程度の少量袋やパックなどに詰め、20〜40品目の商品をダンボールに入れ、日に500〜700ケース出荷しています。

エスビー食品との提携は栽培・販売の安定を確保できます。施設内での水耕栽培とはいえ、生き物を育てる事に変わりはありません。24時間休まず植物は成長し続けているので、日々の管理は重要です。水も生き物で、毎日見ていないとすぐに作物に影響してしまうと身に染みて感じています。そんな経験から農作業のマニュアル化を進め、従業員にも日々徹底を促しています。作業の分業化を図り、誰が見ても分かるマニュアルがあれば失敗が減り、効率が上がります。

そして将来、従業員が生産者として独立したときには、栽培の安定と安心感に繋がるでしょう。また、種からの栽培において、施設内の病気の蔓延は致命的です。その予防と、長期的な栽培計画のために衛生管理や防暑対策などを徹底して行うなど、経 営者としてのノウハウも伝授しています。

ハーブ栽培のビジネスチャンスを掴んだ、逆転の発想

近頃のハーブ人気を受け、特にバジルとパクチー は需要が高くなってきました。また、ミントやイタリアンパセリ、タイムなどは、珍しい食材ではなくなり、今や料理に欠かせないものとなりました。フレッシュハーブは生で食べるのはもちろん、炒めバジルやセージ・タイムの天ぷらなど、加熱してもおいしいと、思います。また、栽培だけでなく、提供される都内の店舗などにも足を 運び、実際に食べて体験するなど常にアンテナを張り、情報収集をしております。

様々な種類のハーブを同時期に栽培する事はかなり手間がかかります。就農した当初、一緒に作業していた仲間から「ハーブ栽培は手間がかかるから嫌だ」と言われました。その時に、みんなが嫌がる仕事だからこそよいのではないか、将来性があるのではないかと逆転の発想で取り組んでからこそ、現在があるとおもっています。

今後は人材育成を視野に入れ、無理なく続けられる農業を構築し、農家でならではの作物への想いを、発信をしていこうと思います。

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