女性スタッフを中心に青ネギを周年栽培
私たちは、香川県観音寺市で青ネギを周年栽培する農業法人です。10人の女性スタッフがパートタイムで働いてくれています。私は取締役として、仕事と子育てを両立しやすい職場環境づくりと、農作業の効率を高めることに取り組んでいます。
私は結婚を機に就農しました。「社長の奥さん」ではなく、経営者として仕事に携われるようになりたいと思い、まず畑仕事を必死で覚えました。本当にハードでしたが、大きなトラクターなどもすべて乗りこなせるようになり、夫の接客に同席して商談も学びました。
取締役に就任してからは、社長（夫）が安心して商談に出かけられるよう、私がスタッフを引っ張っていかなきゃいけないと、現場での責任を自覚しました。女性スタッフにさまざまな農作業を教えることが私の仕事になりましたが、同性の私が同じ目線でサポートする方が、スタッフの上達は早いようです。今では女性スタッフ全員が、農業機械を使いこなしています。
女性目線で働きやすい職場環境づくり
そして、特に力を注いだのが、安心して子育てができる職場環境づくりです。Sunsoで働くパートタイマーは、勤務時間を8時半から12時、15時、17時までの3段階から選べます。フルタイム勤務の方には社会保険・厚生年金完備。残業なしで、土日祝日は完全休み。また、有給休暇もあり、半年勤務で有給10日、その後1年ごとに日数が増え、5年勤務なら年間20日となります。
私自身が勤めに出ていたとき、子供の入院を理由に休職したことがありましたが、職場の理解は得られませんでした。病気の子供の看護という親として当たり前のことをするために、職場に気を遣わなくてはならない。そんな職場ではなく、女性が働きやすい、スタッフがお互いに思いやりや気配りができる会社にしたいと思い、現在の労働環境を整えました。
こうした取り組みが評価され、農林水産省の「農業女子PJ2016オブ・ザ・イヤー」、そして日本農業法人協会の「農業の未来をつくる女性活躍経営体100選」に選んでいただきました。女性目線の工夫が農業分野で評価され、とても光栄です。
経営ってなんだろう、そう考える日々が長く続いた時期がありました。あるとき、「経営って常に考えて、自分で答えを出していくことなんじゃないか」と気づいてから、自分のやるべきことが明確になった気がします。これからも「どうしたら会社がよくなるか」を常に考え、社長に提案し、実行に移していきます。
